CAになったら身につく様々な魅力

CA(客室乗務員)は機内で、お客様が快適に飛行機を利用できるようサービスを提供する「接客要員」と、お客様の安全を守る「保安要員」としての2つの役割があります。CAとして経験を積むことで、洗練された国際的な教養やマナーが身につきます。他にもCAの仕事をしながら様々な魅力が身につくので、その魅力をお伝えします。

目次

魅力その1:“高い美意識”を保てる

CAは直接お客様と触れ合う仕事でもあり、機内でくつろいでいるお客様の目に留まりやすいため、人から見られる職業だといえます。特に、体調の悪い方や不審者がいないか機内をチェックして回るキャビンウォッチの際には、お客様のご要望を積極的に拾うため、ゆっくり通路を歩きます。国際線のエコノミー路線の場合、横に9席ほど配列されていますが、その全てのお客様と目を合わせるつもりで一歩一歩ゆっくり足を進めるようにと教わるそうです。

 また、大型機で国内線を3本乗務すると、一日で約1000人のお客様と接することになります。これだけ多くの出会いの中で仕事をしているCAは、美意識を高く保つよう心掛けている方が多いです。
 空港内を制服で歩けば、お客様から視線が投げかけられます。見られるからには、歩き方、表情、荷物の持ち方さえも気は抜けません。常に人から見られているという程良い緊張感が、美意識に繋がるのでしょう。

 美に関していえば、「内面外面ともに美しい先輩が多い」ということも、恵まれた職場だと思います。後輩は先輩から、仕事だけでなく、美容や料理など、いわゆる“女子力”に関して、私生活全般にわたって様々なことを教わります。

美容ライタ―斎藤薫さんの「綺麗はうつる」という表現のように、無意識レベルでも先輩達から沢山刺激を受けて、女性として内外共に自分磨きをできることがCAの魅力のひとつだといえます。

魅力その2:“知識や教養”を身につける機会が増える

航空会社によって、知識や教養を学ぶ制度があります。例えばJALでは、手話や、韓国語、中国語などの言語を学ぶシステムが入社後に用意されています。日本人CAが外国のお客様に、その方の言語で接客をすると、想定外のサービスに驚きながら満面の笑みで受け答えしてくれるそうです。その笑顔がCAにとって更なるモチベーションになっているといいます。

 また、ファーストクラスやビジネスクラスでワインを提供するのですが、自主的にワインスクールに通ってソムリエの資格をとるCAもいます。多いときには機内に4、5名程ソムリエ資格保持者が乗務していることもあります。ワインの勉強をしていることで、例えばお客様に「お客様がお選びになった神戸牛のステーキには、こちらの○○なワインがお勧めです」というように、ご提案をすることができます。更には、ワインがお好きなお客様との会話に花を咲かせることも可能です。

新たな教養や知識を身に着けることで、自分の引き出しが増え、サービスの幅が広がる楽しみを感じることができることもCAの魅力です。

魅力その3:世界各国の“本場の体験”ができる

国内、国外とCAは仕事としてどこへでも行くことができます。例えば、モネの「睡蓮」が好きであれば、パリのオランジェリー美術館で、天窓から優しい明かりがさんさんと降り注ぐ大迫力の睡蓮を見ることができます。また、ゴッホが好きなら、アムステルダムのゴッホ美術館に行って、本物を直接見ることができます。美術館だけでなく、ミュージカルも、ニューヨークやロンドンなどで、本場の雰囲気を味わいながら観劇できます。ロシアではバレエ鑑賞ができますし、世界で活躍している日本人選手のサッカーや野球の試合を観に行く事も出来ます。

芸術やスポーツだけでなく、料理を習いたいと思えば、パリのコルドンブルーへ足を運ぶことも出来ますし、1泊3日のハワイでも海を思いっきり楽しむことができます。バンコクでは、ワット・ポーという寺院が直営しているタイマッサージがお勧めです。仕事を通して世界各地に行けるので、本物と現地で触れ合ったり、本場の雰囲気を堪能しながらたくさんのことを経験することができます。

まだ見たことのないワクワクする体験をたくさんできることがCAの魅力のひとつだといえます。

魅力その4:ショッピングの範囲が“世界中”に広がる 

国際線は担当路線を持つので、例えばパリが担当になると月に1~2回はパリ便を乗務します。ステイ先では次のフライトまでの間、上述したように観光や体験に加えて、買い物も楽しみのひとつです。パリへフライトをする同僚と、「モンテナポレオーネに新しくできたカフェが良かったよ」、「そういえばフランクフルトの食器屋さん、ヘンケルが特売セールしていたよ」など、まるで銀座か表参道と同レベルで、パリの話をすることがあるようです。
 また、月に2回パリにフライトが入る時は、アパレルショップで自分に合うサイズの取り寄せを頼んでおいて、次に来た時に受け取りに行くこともできます。現地では日本で販売している価格の7割程度で販売しているので、お得に購入することができます。

ショッピングの範囲が世界に広がることはCAの魅力のひとつであり、楽しみでもあります。

魅力その5:国内だけでなく世界中の“食文化”を楽しめる

観光や体験、ショッピングと同じく、世界中の「食文化」を味わえることも楽しみのひとつです。東京にいながら日本中の食材、世界各国の料理を味わうこともできますが、日本や世界各地の郷土料理や地酒、その地方のワインなどを現地で楽しむと何倍も美味しく感じることができます。

 沖縄では幅の広い縁側でオリオンビールと沖縄料理を食べたり、熊本では馬刺しを楽しんだり、年末に福岡ステイが入れば忘年会はモツ鍋になることも。金沢では厚切りのお刺身を食べたり、北海道の千歳は海の幸が美味しく、回転ずしのレベルも高いので日本の海の幸を堪能できます。 

一方海外では、アラスカのアンカレッジで美味しいプライムリブを食べたり、ニューヨークの“fifth avenue chocolate”でとろける生チョコをデザートにししたり、台北ではショウロンポウ、バンコクではプーパッポンカレー(蟹と卵のカレ―炒め)など、世界各地の食文化に触れ、幸せな気持ちを味わうことができます。

まとめ:お客様、クルーをハッピーにする“気配り力”がCAの魅力

CAは自分の「人間力」を磨いてお客様を幸せにする仕事だといえます。全ての行動が、お客様や一緒に働くクル―を「よりハッピーにする」ためにあります。

 表情や語調に対して細やかなアンテナを張り、相手に気を遣わせないようにさりげなく行動にうつす努力をしています。指先まで神経が行き届いている「美しい所作」、控えめで相手をたてた「美しい言葉遣い」も、最上級のおもてなしのために、CAとして必ず身につけることになる要素です。お客様に「優雅さ」を感じて頂くためには、サーブする側も優雅である必要があります。CAは、仕事を通して自分を取り巻く空気感さえ、磨きをかけていけるのです。

 メンタルトレーニングの先駆者として知られる西田文郎さんの著書『他喜力』の中に、「他人を喜ばすと、幸運が押し寄せる」という言葉があります。相手をハッピーにするために行動するCAには、幸運が押し寄せることになります。CAにとって、喜んで下さるお客様の笑顔や感謝の言葉は何よりの仕事のやりがいで、心と心が繋がることで温かい気持ちになることができるといいます。

 CAは仕事中に全身全霊で「気配り力」を磨いていきます。お客様だけでなく、クルーに対しても気配りができているので、初対面だとしても気持ちよく働くことができます。JALには数千人のCAが在籍し、何年経っても初対面のクル―と仕事をすることが多くあります。成田や羽田に出社した時はどんな人とフライトするのか緊張感もあると思いますが、10時間以上の長距離国際線では本気で力を合わせなければ満足する仕事はできません。

 特にビジネスクラスやエコノミークラスでは膨大な仕事に「手分けして取り組む」ことが必要で、自分が受け持っている業務に全力を注ぎながらも、周りのクル―に常に気を配っています。特にギャレー(台所)の仕事はその典型で、お客様にお食事を提供する他のクル―が動きやすいよう、先の先を読んで必要なものを揃え、クル―同士がぶつからず動きやすい動線を考え、温かいお食事を熱々のうちにお召し上がりいただけるよう時間管理をしています。目的地に到着する頃には、成田では「初対面だから」と距離があったクル―同士も「最高のサービスを提供するために力を合わせた仲間」として、ぐっと心の距離が近くなります。

CAは「お客様のご要望を先読みして行動し、相手を快適にさせるプロフェッショナル」ですが、クル―同士にも同様な心配りをしています。そのような仕事の仲間と一緒に、ステイ先で観光や体験、食事をすることで、更に味わい深く楽しい時間を過ごすことができることでしょう。

CAの仕事は、この仕事に興味を持った方々にとって「経験して良かった」と必ず言える仕事です。是非、今日から一歩踏み出し、CAを目指しませんか?

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